.FatalReal

基本,健忘録兼日記。 たまに思っている事とか。

黒い列車

そのフードの奥にある仮面の下に我々と同じ亡者の顔を見つけた時,いずれ自分もそこに行き着くであろう事実を知り,どう仕様も無い絶望感に襲われた。

その列車は,自分の外装をそぎ落としつつも猛スピードで走っており,我々の仕事は死神が用意した亡者の肉片をその車体に埋め込むというもので,次々と倒れていく仲間を余所に,オレはいずれたどり着く終着駅まで耐え続けようと,暴風に曝されながらも黙々と作業を続けた。

いくつかの駅で停車と亡者の補充を繰り返した後,やがて地平線の彼方に駅が見えてきた。
誰かが言った訳でもないが,そこが終着駅だということは自然と分かった。
あの駅に着いたとき,オレはこの列車の一部になっているのか,生き延びて今度は監視する側の死神になるのか,もしくは別の何かになるのか。

そもそもこの列車はなんなんだ?
亡者を地獄へ運ぶ貨物列車?
それにしては当の亡者を車体に塗り込め,常に外装を補強しなければ,自身を維持できないのは?
絶えず崩壊と補強を繰り返す漆黒の列車。

途中で乗車した怯える人々を宥め,作業を教え,終着駅まで耐えることを諭す。
もう,どれくらいそんなことを繰り返してきたかすら覚えていない。

列車が駅に着いた。


深夜のプラットフォームで列車を待っている。
電気は落ちているものの,異常なほど明るい月光が人々を照らす。
この広い駅で,その列車を待つのは年齢層もバラバラな数人の男女。
特に何かを話すわけでもなく,ただ,待っている。
遠くに光が見える。列車が来たようだ。

グロテスクな外見の,見たこともない黒い列車。
生物の内蔵を思わせる表層は,よくみると蠢いており,なんとも不気味な感じがする。
窓のない扉が開くと,黒いフードをすっぽり被り,大釜を持った数人が降り立った。
正に絵に描いたような死神の風貌。
そんな彼等を見た瞬間,オレは,突然の既視感に襲われた。

知っている。
オレはコイツらを知っている。
この列車を知っている。
そう,これから課せられる苦役を知っている。
そして,行き着く先。
終着駅。
確かにオレはそこに行き着いた。
そして…そして,どうなった?
あのグロテスクな,腐り果てた肉体を仮面とフードで隠し,亡者を監視する死神になったのか?
思い出せない…




…みたいな妙にリアルで恐ろしい悪夢を見た。

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